盛岡商工会議所青年部

会長所信

『SHINKA』
〜しなやかに変化し成長する組織へ〜

若き企業家集団(Young Entrepreneurs Group)たるYEGは、地域社会を基盤として活動しています。「地域社会」とはつまるところ、この地域に住まう、または関係する人々の集まりであり、私たち一人ひとり、自分自身のことです。地域社会の発展は、地域の一人ひとりが当事者意識をもって地域に関わることによってもたらされます。YEGは、特に次代の地域経済を担っており、青年経済人の相互研鑽の場として、資質の向上と会員相互の交流を通じた企業の発展と豊かな地域経済社会を築くことを目的としています。

盛岡YEGもまた、創立以来、様々な事業を通じて、地域経済への問題意識の共有や課題解決に向けた取り組みを積み重ね、昨年度20周年を迎えました。20年の間には、東日本大震災や、新型コロナウイルス感染症の流行など、活動の継続が困難な時期もあり、これまでの価値観を大きく覆すような変化も経験しました。しかし、その中でも、明るく前向きに、やるべきこと、できることを模索しながら、活動を絶やさず、メンバーの絆を深めてきました。

創立20周年記念の各種事業を通して、私たち盛岡YEGメンバーは、この組織の礎を築いてくださった先輩方の軌跡を振り返り、敬意と感謝を伝える機会を得ました。また、この20年の歴史の中で盛岡YEGを大きく進化させた平成28年度の「東北ブロックいわて盛岡大会」を経験していないメンバーも多い中、その大会にも引けを取らない事業を作り上げようという気概で全メンバーの力を結集して全力でやり遂げました。

新たなる一歩を踏み出した昨年度を経て、本年度は、さらに盛岡YEGを進化させ、真価を高めていくべく、新たなるチャレンジ(新化)やさらなる探究(深化)を通じて、しなやかに変化し成長する組織を目指します。そして単にYEG活動そのものに注力するだけではなく、メンバーの企業や家族や所属する様々なコミュニティ等にも相乗効果をもたらしながら、心豊かに過ごすことができる地域社会を創造するために活動して参ります。

知の深化によって、地域の進化に貢献する

商工会議所のそもそもの役割は地域の商工業者の声を集めて世論を形成することです。YEGという組織を通じて、提言という形で発信することにより、青年経済人としての声を届け、行政や各種機関と連携しながら、地域の進化に貢献することができます。

地域の未来を考えていくためには、盛岡に住み暮らす私たち自身が盛岡をより深く知ることが大切です。知ることにより、まちに対する愛着が増し、当事者意識が高まり、このまちをよりよくしていくための行動へとつながります。このまちをより深く知るための事業として、今年度も「もりおか歩(ホ)っと散歩」と「風会議」を開催し、事業を通じて得た知や連携によって盛岡の進化に貢献する提言案策定に繋げます。

地域に根差し、進化させていく人材のための基盤をつくる

少子化・高齢化そして人口減少は、この盛岡においても例外なく直面している問題です。社会構造や個々の価値観、ライフスタイルの多様化により、かつてのように若者の人口を自然に増やしていくことは非常に困難です。私たちにできることは、地域の未来を担う人々の育成や支援であり、また、盛岡に暮らしたい、あるいは盛岡で働きたい、という若者を増やすことです。

盛岡YEGでは、これまで「もりおか縁結び」や「高校生サミット」などの事業を実施し、盛岡に根差す人々の定着や育成のための取り組みを行ってきました。

未来の地域を担うのは自分たちであるという当事者意識を喚起しながら次世代の人材を育成することを通じて、持続可能な地域の発展を目指します。

連携の深化によって、ビジネスの真価を高める

YEGは地域経済社会の発展を通じて社会の進化に貢献する役割を担っています。そのためには、盛岡YEGメンバーの自社企業の発展が不可欠です。多種多様な業種が集まるYEGでは、メンバーの相互理解を通じて、より多くのビジネスチャンスを掴む機会があります。その機会の意義をさらに高めていくために、個々のメンバーの資質向上を目指します。

さらに、YEGは商工会議所活動の一翼を担っていることから、青年部のみならず商工会議所そのものへの理解を深め、連携を深めることが重要です。この連携の深化によって、メンバーのビジネスを発展させ、同時にYEG活動の幅を広げながら共に地域課題の解決に取り組む契機とします。

また、盛岡YEGの活動を広く発信することにより、存在感を高め、地域社会との連携を強化していきます。

地域の祭りを通じて、人と地域の真価を発信する

地域の祭りは、そのまちに暮らす人々の活力の源であり、アイデンティティやプライドの基でもあります。2020年から続くコロナ禍により、地域の祭りは中止を余儀なくされ、まちの活気が失われかけた時期を経て、昨年度からようやく、少しずつ祭りやイベントが再開されました。それでも昨年度はかつてのような形では開催できませんでしたが、盛岡YEGでは「盛岡さんさ踊り」への参画を、決してあきらめずに、できる形を追求して行いました。このことにより、メンバーの心に火が灯り、地域の祭りを守り盛り上げていこうという気運が高まりました。

本年度も、地域の祭りやイベントに主体的に関わることを通じて、メンバー同士の、そして盛岡YEGと地域の絆を深化させ、地域の真価を発信していきます。

盛岡YEGの真価を継承することにより、盛岡YEGを新化させる

年齢制限のあるYEGが常に進化していくためには、YEGの活動の真価を伝え、継承していきながら、時代に合わせてよりよい組織に新化させていく仲間が必要です。毎年卒業生を送り出し、新入会員を迎えることで、YEGは青年経済人の組織としての瑞々しさを保つことができるのです。そして、新たなメンバーを迎えるだけでなく、そのメンバーが真に盛岡YEGの仲間として活動していくことができるよう育成に努めます。

メンバーの業種や個性の多様性が多くのアイディアを生み、YEG活動の幅を広げます。「人は人によって磨かれる」という言葉が表すように、人間は他者との関係の中で成長します。より多くの仲間と青年経済人の研鑽の場としてYEGを最大限に活かし、メンバー一人ひとりの人生を豊かにしていきましょう。そして、その豊かな成長をもってこのまちの進化につなげていきましょう。

YEG活動は、卒業までの限られた時間の中で、多種多様な経験を積み、人脈を形成しながら自社企業を成長させ、もって地域経済社会の発展に寄与するものです。この貴重な機会を活かし、明るく、楽しく、かつ真剣に活動して参りましょう。

21年目の盛岡YEGは、さらなる『SHINKA』に向けて歩を進めます。

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